日々のこと

熊本地震による、社の修繕工事

熊本市西区にて、熊本地震における被災鳥居・祠の修繕工事をさせて頂きました。

【倒壊した神社の祠と、倒壊破損した鳥居の額】

倒壊した祠ですが、まずは、全ての石材・積石を解体して地盤固め・基礎工事を行います。

積石内部は、割石と玉石と土を敷き詰めてあり、1段解いては手作業で掘起こして取り除きを繰り返して、全ての積石を解体。
解体した積石は、また元の状態に積み上げる為、全ての石にナンバリングして管理します。

地盤の締固め後、基礎鉄筋コンクリート工事を行い、1段目を慎重に合端を一つづつ合わせながら据え付けていきます。
既存の修復復旧工事ですので、「元に戻す」作業は新規工事と違い、思いのほかはかどりません。(^_^;)

1段目据付け後、ベースの基礎コンクリートと積石下部を覆うように、土間コンクリートを打設。
強度も上がり、見た目も綺麗に仕上がります。

2段目以降も同じように慎重に据え付けていきます。

最上段まで積み上げ、上部4辺が凸凹でしたので、これを水平に削り出して綺麗に整えます。
多量の汗と、ドス黒い粉塵で、全身大変な事に!(*_*;

石積み作業が完了し、祠本体を組立据付けていきます。

と、ここで問題発覚!

扉を支える既存の石材の穴が、経年劣化によってボロボロになっていました。
当初の確認不足でもあり、ご迷惑をお掛けしましたが、急遽新たに作り直す事になりました。

在庫の同種石材(凝灰岩)を使用して、工場での加工。

加工が仕上がり、早速再度持ち込んで作業再開。

何とか微調整をしながら、既存の扉を取り付けて完成!
耐震金具も埋め込んで補強。

根気よく手間の掛かるセメント目地での仕上げも終わり、ようやく全ての工事が完了しました。

【倒壊して破損した鳥居額の修復工事】

こちらは、奇跡的に額以外の箇所に大きな破損はなく、額石のみの交換取り付けでした。
目地部分も綺麗に仕上げて完了。

当初の予定よりも工事が長引いてしまいましたが、何とか納期であった秋の祭事にも間に合い一安心です。

震災修復工事は、、、まだまだ続きます。